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2020.12.25

居抜き契約の流れと注意点とは? よくあるトラブル事例もご紹介

退去したテナントの内装設備やオフィス家具を、そのまま引き継いで利用できる居抜き物件。この居抜き物件には、内装工事費やデザイン費といったオフィス移転の初期費用が節約できるなど、たくさんのメリットがあります。

しかし居抜き物件に入居するための「居抜き契約」には、いくつかの注意すべき点があるのも事実です。契約の全体像や内容をしっかり把握していないと、契約後にトラブルが起こる可能性もあります。

こちらの記事では、事前に確認しておくべき居抜き契約の流れや注意点を分かりやすく解説。よくあるトラブル事例もまとめていますので、併せて参考にしてください。


居抜き契約とは

居抜き契約とは、前のテナントが使用していた内装設備やオフィス家具を、新しいテナントがそのまま引き継いで使用することを前提にした契約です。

通常のオフィス入居の契約とは少し内容が異なるため、トラブルを未然に防ぐためにも契約内容をしっかりと確認しておく必要があります。

居抜き契約に必要な「賃貸借契約」と「造作譲渡契約」

居抜き契約を結ぶ際には、「賃貸借契約」と「造作譲渡契約」が必要になります。

賃貸借契約は賃貸物件を借りる際に結ぶ契約で、店舗やオフィス、一般のアパート・マンションなどの契約において不可欠なものです。これはオーナーとテナントの間で締結します。

一方で造作譲渡契約とは、居抜き入居の際に譲り受ける内装設備やオフィス家具などの項目を明示したもの。オーナーではなく前のテナントとの間で締結する契約です。この造作譲渡契約を結ぶ場合は「譲渡項目書」を作成し、譲渡する設備や機材などをリストにして明確にしておきます。


居抜き契約の流れ

居抜き物件を契約する場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか。手続きの一連の流れをご紹介します。

①物件の内見と申込み

まずは物件の内見を申し込みます。候補の物件が決まったら、内見する日時や場所などを仲介業者と相談し決定します。

ただし居抜き物件の場合、前のテナントが退去する前に内見することも多いので、タイミングによっては内見ができなかったり、内見可能な日時が限られていたりする場合もあります。候補物件が決まり次第、早めに相談するようにしましょう。

②ヒアリング/条件確認/物件や設備の調査

内見当日は、広さや立地などの基本的な情報はもちろんですが、譲り受けられる設備の種類やその状態、また反対に譲り受けることができないものまで確認しておきましょう。

また、条件の良い物件は早いタイミングで契約が決まってしまうことが多く、物件数が限られている居抜き物件の場合はその競争率も比較的高くなります。特に有力な候補物件を見つけた場合には、仲介業者と相談の上、早めに申し込んでおくのがおすすめです。

③貸主審査

貸主審査とは、入居にあたっての審査(与信)のこと。事業内容や収入状況、物件の使用目的などの情報をもとに「借主がどのような人(企業)なのか」「信用してオフィスを貸すことができるか」などを調べます。

事業計画書の提出を求められた場合、スムーズに審査を進めるためにも、商品や商材の内容、従業員数、売り上げや収益見込みなどを含む情報を詳しく記載しておきましょう。

④追加費用の確認

居抜き物件に備わっている設備をそのまま利用する場合でも、追加費用が発生するケースがあります。たとえば電気のアンペア数が不足していたり、通信設備が備わっていなかったりする場合も。このような場合、設備の追加が可能かを仲介業者へ確認し、必要に応じて設備工事を依頼する必要があります。追加工事はテナントの負担で行うケースが一般的です。

また仲介業者には、今回追加する設備を退去時に元の状態に戻す必要があるのかも一緒に確認しておきましょう。

⑤造作譲渡契約

居抜き物件の細かな条件を確認して納得できたら、いよいよ契約手続きに入ります。まずは譲渡品のリストと契約書を作成し、前のテナントとの間で直接造作譲渡契約を締結します。

契約にあたっては、特にトラブルに発展しやすい「設備の故障の有無(瑕疵担保責任)」や「機器のリース清算が済んでいるか」「経費処理する消耗品と、資産計上して費用処理する設備関連を分けて、リストにしてもらえているか」などを重点的に確認しましょう。

また造作譲渡契約においては、必ずしも全ての設備が無料で譲渡される訳ではありません。契約書や譲渡品リストは細かく確認し、契約に関する疑問は解決しておくことが重要です。

⑥賃貸借契約

造作譲渡契約と並んで重要なのが、賃貸借契約です。一般的にはオーナーとテナントの間に仲介業者が入って契約を締結するケースが多く、賃料や原状回復などの細かな条件が定められます。

事業用として使用するオフィスや店舗物件の場合、営業時間や業種などが詳しく契約条件に定められているケースもあります。契約内容に違反してしまうと違約金が発生したり、最悪の場合退去を求められるケースもあるため注意が必要です。

また、退去時にトラブルになりがちなのが原状回復についてです。賃貸借契約を交わす際には、どの範囲まで原状回復が求められるのか、細かな条件をあらかじめ確認しておきましょう。

⑦物件の引き渡し

造作譲渡契約と賃貸借契約が完了したら、物件の引き渡しを受けます。引き渡し時には、物件内にある設備の動作や、譲渡リストにあるものが揃っているかを確認しましょう。


居抜き契約のメリット

特にベンチャー企業や中小企業などに嬉しい、居抜き物件のメリットをご紹介します。

コストが抑えられる

居抜き契約の最大のメリットは、オフィス移転にかかる初期費用を抑えられること。居抜き入居の場合、希望条件に合う物件が見つかれば、内装工事やオフィス家具の購入を最低限のコストで済ませることができます。

資金が限られていたり、メンバーの増加によって短期間でオフィス移転をする可能性があったりするスタートアップ企業やベンチャー企業には特に、こうしたオフィス移転の初期費用を節約できる点が大きなメリットになるのです。

新オフィス稼働までの日程を短縮できる

居抜き契約であればすでに内装設備やオフィス家具が備え付けられており、電話回線やネットワークの工事を行えばすぐに入居できる物件も少なくありません。

1日でも早く開業したいスタートアップ企業の経営者や、現在のオフィスが手狭で早く移転したい企業の担当者にとって、居抜き契約のオフィスは理想的な物件といえます。


居抜き契約の代表的な注意点&トラブル例

居抜き契約の注意しなければならないポイントやデメリットについて、よくあるトラブルの事例も含めて詳しく解説します。

使えるはずの設備が使えない? リース/レンタルの確認

居抜き契約のオフィスの場合、デスクやチェア、キャビネット、コピー機などがそのまま利用できるケースがあります。しかし、キャビネットの鍵が見つからずに利用できなかったり、使えると思っていたコピー機が故障していたり、といったトラブルも。

また機器のリース契約が残っていると、オフィスの住所にリース料金が請求されてきたり、レンタル契約が満了を迎えて回収されてしまったりするケースもあります。

そのため、造作譲渡契約の際には設備やオフィス家具の状態をはじめ、リースやレンタル対象の機器や設備が残っていないかまで入念に確認しておきましょう。

口頭ではなく書面でしっかり確認!「数」「価格」「コンディション」

契約時に設備や内装の状態を確認する際、担当者によっては「きれいな状態です」「問題なく使用できます」といった返答をもらことがあります。しかし、一口に「きれいな状態」といっても、感じ方は人それぞれ。新品同様の状態なのか、多少使用感はあるものの実務には問題ない程度なのかなど、口頭での説明だけではトラブルに発展する可能性があります。

そのため造作譲渡契約や賃貸借契約を結ぶ際は、必ず書面でやり取りするようにしましょう。譲渡する設備や機材の数、コンディション、価格を客観的に明記するほか、賃貸借契約の書類には原状回復の条件を明記してもらうことが大切です。


まとめ

今回の記事では、居抜き契約の流れや注意点をご紹介しました。

契約後に思いもよらないトラブルに見舞われないために、そして居抜き物件のメリットを最大限に活かすために、あらかじめ契約の流れや注意点を確認して備えておきましょう。

居抜きオフィスの契約を検討中なら、物件数が豊富な「そのまんまオフィス」にぜひ一度ご相談ください。

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