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2020.12.23

オフィスの原状回復を効率的に!費用の相場と削減方法を紹介

働き方改革の一環として、より働きやすい快適なオフィスへの移転を検討する企業が増えています。また新型コロナウイルスの影響でテレワークが広まり、オフィス規模を縮小する企業が増えることも予想されます。

しかし、現在契約しているオフィスから新しいオフィスへ移転するとなると、高額なコストがかかってしまうもの。なかでも大きな負担になるのが、オフィスの原状回復にかかわる費用です。どの程度の費用がかかるのか、そもそも原状回復しなければならない範囲はどこまでなのか、心配される経営者や総務担当者も少なくありません。

そこで今回の記事では、オフィスの原状回復の範囲と費用の相場から、必要な手続き、コストを抑えるために有効な方法まで詳しく解説します。


借主が負担する原状回復の範囲

賃貸物件を引き払う際、借主が原状回復の義務を負うことが法律によって定められています。

2020年4月に改正された民法621条では「損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるもの」は借主が責任を負う必要がないと明記され、国土交通省のガイドラインにおいても以下のように定められています。

「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」

つまり、「日常生活でやむを得ず生まれてしまうものではない汚れや傷」とみなされた場合のみ、復旧しなければいけません。

そもそも建物内の設備などが損耗、毀損するケースとしては、以下のようなことが考えられます。

  • 経年劣化−紫外線による畳や壁紙の変色など
  • 通常損耗−冷蔵庫を置いたことによる壁紙の黒ずみ(電気ヤケ)など
  • 賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等−タバコによる壁紙の汚れなど

アパートやマンションなどの一般住宅の場合、上記のうち「経年劣化」および「通常損耗」に該当するものは、借主ではなく貸主(オーナー)側の負担になります。

しかし法人向けのオフィス賃貸物件の場合、壁紙やカーペットなどを含めほぼ100%の部分で、借主負担での原状回復が求められます。これは賃貸契約を結ぶ際に契約書に明記されているはずなので、あらためて確認してみましょう。


オフィスの原状回復費用の相場

オフィスの原状回復費用の一般的な相場は、坪単価4〜5万円。たとえば200坪の大規模オフィスに当てはめてみると、200坪×5万円で1,000万円程度の原状回復費用が必要になる計算です。

ただし、オフィスの形状や設備などの条件によって費用はさまざまなので、正確な金額は管理会社に見積もってもらう必要があります。


オフィスの原状回復費用を抑える3つのポイント

賃貸のオフィス物件では、高額な原状回復費用が求められることが予想されます。移転費用を少しでも抑えるために有効な方法はないのでしょうか。今回は経費削減に役立つポイントを3つご紹介します。

まずはオフィスの契約書類を確認する

オフィスの賃貸契約を結ぶ際、原状回復に関する内容は特約として明記されている場合がほとんどです。「基本的に100%借主負担となることが多い」と説明しましたが、負担割合や原状回復の範囲については特約内容をあらためて確認しておきましょう。

また、原状回復を行う際には、壁紙やカーペットの張替えといった作業を行う業者があらかじめ指定されているケースがあります。指定業者が存在する場合も、契約書に明記されているはずなので、事前に確認しておく必要があります。

このように、まずは現在の契約内容がどのようになっているのか、詳細な条件について把握しておきましょう。

オーナーと交渉する

現在の契約内容について詳細が把握できたら、貸主であるオーナーに対して具体的な交渉をしてみましょう。交渉する内容としては大きく2点。原状回復の範囲と指定業者以外への変更です。

入居期間が短かった場合や、オフィスを少人数で利用していた場合など、壁紙やカーペットの汚れが目立たないケースもあります。原状回復工事が本当に必要なのか、クリーニング等で対応が可能か、状況を見て確認してもらうのも交渉を有利に進めるコツです。

交渉した上で原状回復工事がやはり必要な場合、オーナーの指定業者ではなく、工事を安く請け負ってくれる業者を自分で選定し、オーナーの許可を得て工事を依頼することも可能です。ただしその場合、オーナーの納得のいく仕上がりにならなかった場合、追加の工事が発生し、逆に費用が高くなってしまうこともあるので注意が必要です。

複数の業者に見積もりを依頼する

オーナーへの交渉の結果、指定業者以外に依頼することが認められた場合、できるだけ安く工事費用を抑えるためのポイントがいくつかあります。

まず大前提となるのは、複数の業者に見積もりを依頼すること。施工業者によって大幅に見積もり金額が変わってくるため、必ず複数の業者に来てもらい見積もりをとることが重要です。

もう1点気をつけたいポイントが作業内容。過剰な内容になっていないかを確認しましょう。たとえば、新品に交換したばかりの照明器具までも再度交換対象として見積もりを提示してくるケースがあります。トータルの金額だけを見て判断するのではなく、見積書に記載された内訳もきちんと確認しておく必要があります。


原状回復にかかる期間と効率的に行うための注意点

ここからは、オフィスの原状回復を行うにあたって、必要な手続き、効率的に行う方法をご紹介します。

原状回復工事にかかる期間

オフィスの原状回復工事を業者に依頼する際、オフィスの広さや状況によって工期はそれぞれですが、長い場合だと1ヶ月程度の期間を要します。これはあくまでも作業にかかる日数なので、退去1ヶ月前の時点で見積もりを依頼しても間に合わない可能性があるのです。

オフィスの引き渡し日になっても原状回復工事が終了していない、といった事態を防ぐためにも、十分余裕をもったスケジュールを立てておくことが求められます。

ちなみに、オフィス移転する企業が特に多い3月から4月にかけては、施工業者も繁忙期を迎え、直前での作業依頼には対応してもらえないケースもあるので注意が必要です。

原状回復手続きのスケジュールと注意点

原状回復工事を依頼するタイミングや、オフィスの引き渡しまでのスケジュールをまとめました。


退去までの期間

手続き

注意事項

6ヶ月前

  • オフィスの解約連絡

  • オフィス移転の予定日を決定

  • 現オフィスの契約内容を確認

  • 解約の事前通告期間を確認

※3ヶ月前の物件もある

5ヶ月前

  • 原状回復工事を依頼する業者の選定・見積もり依頼

  • 複数の業者に見積を依頼

  • 退去日を伝え、確実に作業が完了できるかも確認

3ヶ月前

  • 原状回復工事の発注


1ヶ月前

  • 原状回復工事の開始

  • 追加工事が必要になった場合は費用を提示してもらう

退去日まで

  • 原状回復工事の完了

  • 原状回復工事が完了した時点でオーナーへ立ち会ってもらい確認


原状回復手続きにおいて特に注意しておきたいのが、オフィスの解約にかかわる連絡と原状回復工事を依頼する業者への連絡です。

オフィスの解約連絡は事前に「◯ヶ月前まで」と決められており、物件によってその期間は異なります。一般的な住居の賃貸契約とは条件が大幅に異なるため、前もって契約書を確認しておきましょう。もしタイミングを間違えてしまうと、想定していた日にオフィス移転ができなくなる可能性があります。

原状回復工事を依頼する業者には、退去予定日が決まったらできるだけ早く連絡をとりましょう。繁忙期(3〜4月)はもちろんですが、9月から10月の半期締めのタイミングでも、多くの企業がオフィス移転に伴う原状回復工事を依頼します。解約予定日が決まったにもかかわらず、工事が間に合わないという最悪の事態にならないよう、スケジュール調整は確実にしておくことが重要です。


原状回復の手間と費用を抑えるなら、居抜きオフィス

一般的な賃貸オフィス物件は、工夫次第で原状回復費用を抑えられるものの、原状回復にかかわる業者との調整や手続きに手間がかかってしまいます。

そもそも、このような手間をかけずにオフィスを移転できる方法が知りたいという方も多いのではないでしょうか。そこでおすすめしたいのが、居抜きオフィスの活用です。

居抜きオフィスとは

居抜きオフィスとは、前のテナントが使用していた内装設備やオフィス家具を、次のテナントに引き継ぐ仕組みの物件のことです。小売店や飲食店では「居抜き物件」が活用されることがありますが、これと同じようなものと考えて良いでしょう。

居抜きオフィスは、100坪未満の小規模物件はもちろん、150坪以上の大規模物件まで、会社の規模を問わずさまざまな用途に活用できます。手軽にコストをかけず利用できることから、事業の拡大にともないオフィス移転を検討している企業などに注目されています。

居抜きオフィスのメリット

オフィスを「居抜き」で退去すると、原状回復費用を大幅に削減できる可能性があります。

退去の際に、居抜きで入居する次のテナントが見つかれば、原状回復義務を次のテナントに引き継ぐことができるのです。

ただし、現在借りているオフィスを居抜きで退去するには、オーナーの承認が必要です。必ず居抜き退去ができる訳ではないため、早めに動き出して確認しましょう。オーナーとの交渉までサポートしてくれるサービスを選ぶのもおすすめです。

さらに、新しいオフィスも居抜き入居できる物件にすれば、移転にかかる費用と労力も削減できます。

自社で内装工事を依頼したり新しくオフィス家具を買ったりする必要がないため、移転の初期費用が大幅ダウン。工事業者との打ち合わせや見積もり、立会いの労力もかかりません。


まとめ

オフィスの移転には多くの時間と労力がかかり、ビジネスを止めず効率的に移転を済ませるためにはこれらを削減する工夫が必要です。

また一般的な賃貸オフィスの移転は、原状回復にかかる費用も高額になりがちなため、少しでも経費を節約できる方法を検討したいもの。

そのような方におすすめなのが、居抜きオフィスの活用です。内装設備やオフィス家具などをそのまま次のテナントに引き継ぐ居抜きオフィスなら、オフィス移転に関わる費用や労力を大きく削減できます。

居抜きオフィスを多数扱っている「そのまんまオフィス」は、退去の際のオーナーとの交渉から次のテナント募集まで幅広くサポート。もし、期間内に次のテナントが見つからなかった場合も、そのまんまオフィスに対して特別な利用料金はかからないので安心です。まずは、ぜひ物件一覧をご覧ください。

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